受験ストレスと胃の不調
機能性ディスペプシア
FD Functional dyspepsia
志望校合格のための食事改善法
✓ 受験勉強のストレスが引き起こす胃の不快感、食欲不振、吐き気は、「受験FD」または機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)の典型的な症状とされています。このFDは広く医学界で注目され、公認の疾患名としてされています
✓ 脳機能の低下を引き起こす可能性がある胃の不快感に注意が必要であり、「受験FD」によって思考力や記憶を思い出す能力が悪化するため、入試の結果に影響を及ぼす可能性があります。
✓ 家族が受験生の朝食の様子を観察し、そのメンタル状態を理解することは非常に重要です。朝食の取り方の工夫や「受験FD」の改善・予防に効果的な食品の選び方について深掘りし、志望校合格のための対策をご紹介します。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
入試の当日に、はき気、胃の痛み、むかつき、食欲不振など、不快な症状がでてしまい、入試の本番で実力が発揮できなかったという受験生が、弊院には多く訪れます。
受験生もご家族も、その悔しさは容易なものではなく、問診していて、こちらも涙が出てくることがあります。
ただし、受験の合否に関して本当の問題は、胃に不快な症状が出たとき、脳の働きも連動して悪化している場合が多いということです。
実は、胃腸と脳は、裏一体の関係で働いていることがわかっています。
医学ではこれを脳腸相関(brain-gut interactions)と呼びます。
このため、胃にトラブルが生じているときは、脳機能も低下しているため、入試問題を解く能力も悪化していることが多いのです。
これが、弊院で警鐘を鳴らしている「受験FD」(Exam Functional dyspepsia)です。
入試には、胃と脳へのダブルの作用で、合格を阻みます。
「受験FDを征する者は受験を征す!」
これは、受験生やご家族に弊院で提唱していることです。
ぜひ、しっかり対策をとってください。
医学界では、今、機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)、略して、FDと呼ばれる病気が、新たに正式な病名として認定され、専門の医師や研究者の間で注目されています。
機能性ディスペプシア(FD)とは、内視鏡で観察しても、胃潰瘍のような形の異常が見つからない。
しかし、働き方に異常があるため、吐き気がしたり、胃の痛み、胃もたれといった症状が出るというものです。
特に受験では、心理的に追い詰められるために、FDの症状が出る場合がとても多いのです。
これが、「受験FD」(Exam Functional dyspepsia)で、メンタル面がデリケートに育った最近の受験生の間では急増しています。
機能性ディスペプシア(FD)は、国際的には「Rome Ⅲ」という診断基準があり、日本でもこれに従って診断します。
しかし、病気としてのFDの診断基準を満たさない軽い症状の場合でも、脳機能の低下が併発していて、大切な入試で大幅な得点力の低下をもたらすことが少なくありません。
合格を勝ち取るためには、油断してはいけないのです。
受験生やご家族は、決して胃の状態をおろそかにしないでください。
機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)は、脳科学の面からも解明が進んでいます。
試験で不安を感じると、脳の扁桃体という部分が暴走する結果、胃の働きが低下してしまいます。
扁桃体は不安や不満と言った原始的な感情を作り出す領域で、ここが暴走する最も一般的な病気が「うつ病」です。
つまり、機能性ディスペプシア(FD)は「うつ病」と原因がよく似ているということです。
実際、「うつ病」と機能性ディスペプシアが共存している患者さんは、とても多いのです。
胃の不快な症状を理由に弊院を受診し、診察したら「うつ病」が見つかるケースも少なくありません。
そのときは、受験生もご家族もショックを受けられますが、その場合は「うつ病」を治すことで得点力を大幅にアップさせられるということです。
早期に「うつ病」の治療することで、志望校への合格が一気に近づきます。
胃は、合格を勝ち取るための生命線となる脳機能を映す鏡なのです。
ぜひ、胃腸に現れる脳のSOSサインを見逃してはいけません。
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入試が近づいてきたら、受験生の親御さんは、機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia)の症状が出ていないか、お子さんの食事の様子を、できるだけ丹念に観察してください。
特に大事なのは、朝食です。
脳の不調は、とりわけ、朝食のときの機能性ディスペプシア(FD)の症状として現れやすいのです。
ですから、朝食をよく観察すると、受験生のメンタル面の状態を知ることができます。
注意してほしい「受験FD」の症状は、①少し食べただけでお腹がいっぱい、②吐き気を催す、③胃が痛い、④胸やけなどです。
お子さんがそんな症状になったら、同時に脳も不調を起こしている可能性が高いので、注意が必要です。
今の受験生の世代は、生活環境の変化のため、もともと、朝の調子が悪い傾向があります。
といころが、入試は午前中から行われる場合が大半です。
だからこそ、志望校に合格するため、朝食の取り方でメンタル面の状態を見極めるのは、とりわけ大事だということです。
メンタル面の悪化が朝食でわかる一方、逆に、悪化したメンタル面の改善も朝食を通して行えます。
具体的には、受験生に「受験FD」の対策として、「朝食練習」ということをやってもらうよう、出演させていただいているテレビやラジオを通して広く提唱しています。
入試が近づいてきたら、少し早く起床して、朝食をしっかり食べる訓練を行うのです。
誤解してほしくないのですが、「朝食練習」は、シツケや精神修養のために行うのではありません。
目的は「受験FD」を予防し、朝、脳の扁桃体が暴走して緊張するのを防ぎ、脳機能を高めることにあります。
つまり、「朝食練習」によって合格が勝ち取れるということです。
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「朝食練習」で最も大事なのは、ゆっくり食べることです。
私が代表を務める学習カウンセリング協会で、以前、大学入試の受験生の生活調査をしたことがありますが、朝食にかける時間は、平均たった9分という驚くべき調査結果でした。
これは、合格を勝ち取る上で、とても危険なことです。
特に入試の当日はどなたも緊張感が高まるため、突如、「受験FD」の症状が出てもおかしくありません。
また、このような食生活を続けるとメンタル面も不安定になりやすく、試験でケアレスミスも増えてしまうという調査結果も得られています。
そこで、入試の直前期は、30分かけて「朝食練習」を行うことを提唱しているのです。
もちろん、その分だけ勉強できる時間は減るわけですが、それ以上に合格率をアップさせる効果があることは自信を持って断言します。
「朝食練習」では、よく噛んで食べるということを義務づけています。
弊院で提唱しているのは、飲み込むまで20回噛むということです。
多くの受験生は、十分に噛まずに、お茶やジュースなど水分で食べ物を胃に流し込んでいるのが実態です。
普段はこれでも大丈夫かもしれませんが、入試の当日に緊張すると、吐き気などの「受験FD」の症状を誘発してしまいます。
これに対し、噛むと必ず唾液が出て、消化を促してくれます。
また、噛む刺激が脳を通して胃に伝わり、粘液を出して胃の壁を守る作用も働きます。
「朝食練習」では、食べながら、味や香りの確認をすることも大事なことです。
脳が味や香りを認識すると、その刺激が脳を通して胃に伝わります。
これにより、自動的に胃が動き出し、消化能力が良くなることがわかっているのです。
しっかりと胃が動くと、脳の扁桃体の暴走を防ぐ効果もあります。
その結果、メンタル面が安定化して、入試問題を解くための脳機能も高まってくれるのです。
ですから、入試の当日の朝は、特に朝食をじっくり味わうことが、合格の決め手になるわけです。
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受験FDの症状を緩和させるには、食事中の家族の会話についても注意が必要です。
食事中の会話は、脳の中で扁桃体の異常な刺激を抑える作用があることがわかっています。
ですから、胃と脳の両方に良い効果がもたらされるのです。
ただし、入試が近づいてきたら、会話の中身として、受験の話は禁止にしています。
また、深刻なニュースの話、たとえば北朝鮮やテロなどは、食事中には一切、禁止にしてもらっています。
食事中の家族の会話として望ましいのは、試験が終わったら旅行に行こうとか、ディズニーランドに行こうとか、楽しい話が理想的です。
また、胃の働きが悪くなるため、食事中のスマホも禁止にしています。
朝食はもちろん、昼食・夕食も含め、毎食後、ヨーグルトを食べることも、一定の効果が期待できます。
プロバイオティクスと呼ばれる発酵食品の効果で、受験生の胃腸を守ってくれるからです。
以前、ピロリ菌を防ぐ効果が見つかり、話題になったヨーグルトもありました。
同じ種類のヨーグルトに、新たに、ファンクショナル・ディスペプシア(Functional dyspepsia)に対しても、症状を軽減する効果が実証されたという論文が出ました。
一口にヨーグルトといっても、使われている乳酸菌はさまざまです。
今、優れた機能を持ったヨーグルトに、専門の医師も注目しています。
ヨーグルトは、食事の前だと胃酸の影響を受けてしまいます。
ですから、食後にとるようにしてください。
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受験FDの症状は、朝食練習によって、かなり改善します
しかし、根本的な原因が「受験うつ」である場合は、こちらを治療しない限り、合格を勝ち取るのは困難です。
この場合は、ご家庭での対策では大きな改善は見込めず、合格を勝ち取るためには、ぜひ、当院の専門プログラムをお受けになることをおすすめします。
はき気や食欲不振に加え、以下のような徴候が見られる場合は、「受験うつ」の可能性があります。
・「うるさい!」「ほっといてくれ!」など、親に対する暴言が目立つ!
・やさしい子どもだったのに、暴力を振るうようになった!
・「もうダメだ!」といって、勉強を投げ出す!
・夜遅くまでスマホやゲームを続ける!
・英語や国語の長文読解が、急に苦手になる!
・試験の答案にケアレスミスが急増する!
以上は、「受験うつ」に見られる典型的な徴候です。
その場合は、胃腸の症状だけが問題の中心ではなく、脳の異変が症状の震源地だと考えるべきです。
この場合は、弊院の最新脳医学治療・早期合格コースが、高い治療実績と合格実績を残しています。
機能性ディスペプシア(FD)の症状が出たために、「うつ病」の早期発見・早期治療ができ、結果として第一志望の入試に合格できたという受験生は少なくありません。
また、入試の直前期であっても、あきらめる必要なありません。
弊院の「入試直前“特急”コース」で、合格を勝ち取られた方が多くいらっしゃいます。
2020年からは、「集中力アップ特別診療」など5つの特別診療をはじめました。
受験FDの方は、入試の当日に集中力をアップさせるのが苦手な方が多く、こちらも併用するとあこがれの志望校への合格が一気に近づきます。
浪人生活の1年は、心身ともに決してたやすいものではありません。
ぜひ、ベストを尽くしましょう!