受験生のイライラに親はどうする?
「寛容低下」は脳のSOSサイン
心療内科医が教える合格への心の戦術
✓ 受験生がイライラして家族に当たるようになった場合、脳が「寛容力低下」の状態になっています。「寛容力低下」は、脳内でイライラを抑える前頭前野の機能が悪化することで生じます。
✓ 脳の前頭前野は、数学の応用問題を解く場合や英語・国語の長文読解では特に重要な中枢であるため、「寛容力低下」を起こした状態で試験を受けると、深刻な得点ダウンにつながります。受験生がイライラした場合に本当に怖いのは、不快な感情ではなく入試に落ちることなのです。
✓ 受験生のイライラを放置していると、入試の本番に向けて前頭前野の機能低下が悪化します。問題の先送りは、受験失敗という悲劇を生み出す危険な選択です。今すぐ親の取るべき適切な対策を解説します。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
受験生は、勉強のストレスと、落ちるかもしれないという不安から、イライラしがちになります。
ご家庭でも、親にとっては悩みの種だと思います。
こうした受験生のイライラの中に、志望校への合格を勝ち取る上で、決して見逃してはいけない危険な徴候があります。
それが、周囲の人や状況に対して寛容になるための能力を生み出している脳の前頭前野の機能が低下しているということです。
受験生の脳がこうした機能低下を起こしている場合は、ご家族はメンタル面にトラブルが生じていることを理解し、適切に対処してあげないと、受験の結果は悲観的なものになってしまいます。
逆に言えば、こうしたケアをしっかり行うことで、受験生の脳や心のコンディションが回復させれば、現在よりも偏差値の高い志望校への合格も可能になるというわけです。
受験生の脳と心を守り、志望校に合格してもらうために、ご家族はどういう点に気を配るべきなのか?
受験専門の心療内科の医師の視点から解説します!
受験生を守るためには、イライラするのは受験生の脳と心で何が生じているためなのか、ご家族が正しく理解しておいてあげる必要があります。
イライラしている受験生の脳に生じている寛容力の機能低下をご理解していただくため、具体例に沿って、わかりやすくご説明していきましょう。
受験生専門の心療内科で問診をしていて、多いのはこちらの兆候です。
【チェック項目 】
・かすかな音も気になってイライラするようになった!
たとえば、家族が廊下を歩く足音を聞いただけで、イライラする・・・。
それで、家族が配慮して、足音がしないように歩くのですが、廊下の床がきしむ音くらいはします。
本来なら、音として聞き取ることも出来ないくらい、かすかな音でも、イライラしちゃうわけです。
これは、志望校合格を目指す受験生の脳にとって、とても危険な兆候です。
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脳と心が正常な場合は、もちろん、かすかな音でイライラすることはありません。
人間は脳の大脳辺縁系と呼ばれる部分で原始的な感情を生み出します。
それを理性の中枢である前頭前野という部分で抑制することで社会生活を営んでいます。
これが寛容になる力のメカニズムです。
でも、受験ストレスが積み重なると、前頭前野の働きが低下し、無意識のうちに抑えられていたネガティブな感情が吹き出してくるのです。
その結果、寛容力の機能低下という現象が起きるわけです。
受験生がイライラする場合、大脳辺縁系がより強いイライラした感情を作り出しているということも、もちろんあります。
でも、大脳辺縁系がイライラした感情を作り出すというのは、実は穏やかな感情のときにも無意識化で起きていることで、問題の本質は、イライラした感情を抑える前頭前野の機能が低下していることにあるのです。
かすかな音でイライラする原因は、受験生の聴覚機能に異常が生じたわけではありません。
脳の中の前頭前野と呼ばれる部分が機能低下を起こしているのが、イライラする本当の原因です。
受験生にとって本当に怖いのは、この部分なのです。
数学の応用問題を解くには、前頭前野の高度な機能が要求されます。
英語や国語の課題文を粘り強く読み取っていくためにも、やはり前頭前野の機能が試されます。
受験生が前頭前野の機能を低下させてしまったら、入試の得点は壊滅的な低下を余儀なくされます。
その結果、入試に落ちてしまうことが最重要の課題であって、本当に怖い問題はイライラすることではないのです。
イライラするのは本人にとっても不快なことですが、入試の結果のほうが、もっと大事ですよね。
だから、早期に治しておく必要があるわけです。
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では、受験生がイライラした場合に、ご家族は、どのような対処をするのがよいでしょうか?
受験生が何に対してイライラするのか、イライラのきっかけとなる直接の対象は様々です。
勉強が思った通りに進まないのが気に食わない・・・。
親の声掛けが気にさわる・・・。
親の存在自体が気に食わない・・・。
問題の本質は寛容力の低下にあるので、何にイライラしているのかは、それほど重要ではありません。
そこで、受験生の寛容力の低下に対して、ご家族はどう対処すべきかを理解していただくために、具体例に沿ってご説明したいと思います。
受験生のイライラの対象が他のことにあっても、親がとるべき対応は、本質的には同じだということを念頭に置いて、読み進めてください。
ここでは、受験生が、かすかなご家族の生活音が「うるさい!」と言い出した場合に、親がどう対処したら良いのかを例にとりましょう。
多くの親御様が、廊下を歩くときに、忍者のような忍び足にするなど、徹底的に生活音をたてないようにします。
でも、これは、合格を勝ち取らせてあげるためには、決して正しい対処とはいえません。
たとえ無音状態にしたとしても、寛容力に関する前頭前野の機能低下が治るわけではないからです。
家庭の中を無音状態にして表面的に取り繕ってしまうと、むしろ、根本的な問題を先送りすることになりかねません。
しかも、受験生の場合は、先送りするというのは、最も大切な入試の時期に問題を持ち越すということを意味します。
その結果、受験生の身に何が起こるのか?
それは、入試の真っ最中に、周囲の受験生のかすかな音が気になって問題が解けなくなるということです。
ライバルの受験生たちが解答用紙に記入するペンの音・・・。
消しゴムで消すとき、かすかにきしむ机の音・・・。
試験監督の人が巡回するときの足音・・・。
試験会場は、ごく小さな音量ではありますが、様々な音に満ち溢れています。
脳の寛容力の低下を放置していると、合格できる大学にも合格できなくなってしまうのです。
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このような状態になった場合に、受験生がご自分で積極的に医療機関を受診するというのは、残念ながら少数派です。
自分の精神状態を客観的に判断する能力自体が、メンタル面の不調のために低下しているわけですから、これは致し方ないのです。
現実問題としては、親御様に気づいていただくしかありません。
そこで、私のクリニックのホーページでは、こちらのページを設けています。
わが子の受験ストレス
親御様が簡単チェック、10項目で判定!
こちらで、まず、親御様にお子様のメンタル面をチェックしていただいています。
そのうえで、お子さんを連れていただくか、場合によっては、ご希望があれば、まず先に親御様のみでカウンセリングをさせていただくこともあります。
受験生のイライラが脳内のどのような異変で生じているのかを見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、受験に特化した光トポグラフィー検査です。
脳の状態を可視化することで、脳で何が起きているからイライラや寛容力の低下が生じているのか、科学的に突き止めることができます。
さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。
受験に特化した光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。
受験に特化した光トポグラフィー検査の結果、「受験うつ」「受験無気力症候群」「受験燃え尽き症候群」などが見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。
さらに、磁気のパルスの作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。
実際、弊院の「最新脳医学治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。
メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。
「最新脳医学治療(受験うつ)早期合格コース」については、以下のフォームからお気軽にご案内を請求していただきたいと思います。
ご案内メールの請求と受診のお申し込み
受験の燃え尽き症候群については、こちらのページでも詳しく解説しています。
あわせてご参照ください。