猛暑とスマホ依存が引き起こす
夏休みの子どもの脳の変調
心療内科医が教えるその対策は?
2023年7月27日に「OH! HAPPY MORNING」という番組で吉田たかよし院長がお話しした内容について、反響が大きかったのでこちらのページでも掲載いたします。
12年前から毎週出演しており、まもなく出演600回を迎えますが、今後も反響が大きかった放送回については、こちらのホームページでも内容をご紹介いたします。
✓ 子どもたちの夏休みに関して、自殺率やうつ症状、無気力症候群の増加が、世界各地で問題化しています。特に、学校が再開する時期に問題が噴出するとの報告が多く、夏休みの子どもの過ごし方に注意が必要です。
✓ 子どもたちの脳に変調をきたす要因は、猛暑による外遊びの減少と、それによる自宅での閉じこもり生活が挙げられます。これにより脳の扁桃体がネガティブな感情を生み出しやすくなり、うつ症状や無気力症候群を引き起こします。
✓ もう一つの原因は、スマホ依存症です。内容が年々面白くなっているスマホのゲームやYouTubeなどに子どもたちが没頭し、その結果、不自然な脳の状態が長時間続いてしまい、うつ症状や無気力症候群が悪化します。
✓ 解決策としては、親子で早朝の外出やキャンプなどの大自然での活動、星座観測などを通じたスペースセラピーが推奨されています。これらは、扁桃体の過剰な活動を正常化し、穏やかな感情を促します。
ここ数年、夏休みに、子どもたちの脳に、ある危険な異変が生じるケースが増加してきました。
そして、その影響が、夏休み明けに一気に噴出するという現象が、調査結果として現れているのです。
この傾向は、日本だけではありません。
アメリカやヨーロッパなど、世界各国でも同じ問題が生じていることが確認されています。
夏休みに生じる子どもの脳の異変は、地球規模で進行しているのです。
日本では、多くの学校で9月1日に2学期が始まります。
その影響で、この日は、子どもの自殺が1年の中で最も増加してしまう危険な日でもあるのです。
もちろん、学校でのいじめに悩んでいる子どもたちが、また学校生活が始まるという心に重荷を抱え、自殺という最悪の選択をするケースもあります。
しかし、ここ数年で特に目立つのが、いじめなどは受けていないのに自殺を図る子どもたちが増えていることです。
その原因は、うつ症状なのです。
ただし、子どもの脳が突然、9月1日にうつになるわけではありません。
問題は、夏休みの過ごし方にあるんです。
一方、アメリカでは、夏休みが終わると新学年が始まりますが、やはり、こここでも、最近、子どもの脳の異変が噴き出してきています。
それは、学校に登校できなくなる子どもが、夏休み明けに急増するようになるということです。
さらに、テキサス州で行われた調査では、夏休み明けに登校できなくなる子どもたちの中に、うつ症状や無気力症候群の症状を示すケースが多いことがわかりました。
さらに、ここ数年で患者数が増えており、症状も悪化しているとのことです。
では、なぜ、子どもの脳がこのような状態になってしまうのでしょうか?
調査のデータを分析した結果、2つの理由が明らかになりました。
それは猛暑とスマホの普及です。
昔なら、夏休みになると子どもたちは公園で遊んだり、野球やフットボールをして汗を流していました。
でも今は、テキサスでも日本でも、猛暑の影響でそんなことをしたら熱中症で倒れてしまいます。
そのため、どうしても自宅で過ごす時間が増えてしまいます。
そうなると、脳の奥にある扁桃体という部分がネガティブな感情を生み出しやすくなります。
その影響で、うつ症状や無気力症候群が現れるわけです。
でも、自宅にいる時間が長くなっても、お手伝いなどをして家族と触れ合ったり、友だちと遊んだりするのなら、脳にはそれほど大きな問題にはなりません。
夏休みの子どもの脳を危険な状態に追い込んでいる、もう一つの重大な要因はスマホ依存です。
ゲームにしてもYouTubeにしても、スマホのコンテンツは年々面白くなってきています。
当然、子どもは夢中になって、延々とスマホを見てしまうわけです。
その結果、スマホ依存症になってしまう子どもが増えるのは、時代の必然ともいえます。
子どもたちの脳にとって、さらに問題となるのは、スマホを見ているときの姿勢です。
椅子に座り込んだり、場合によっては、ソファーやベッドで一日中、寝転がってスマホを見ています。
脳は姿勢の影響を受けるので、夏休みの長い期間、それで脳が不自然な状態にかれるのです。
その結果、脳の前頭前野が機能不全に陥って、夏休みの終わりになると、うつ症状や無気力症候群が悪化してしまいます。
日本の場合は、その状態で魔の9月1日を迎えてしまうわけです。
これは、アメリカと日本だけの現象ではありません。
イタリアやフランス、それに中国でも同じ現象が夏休みの子どもに起きていることが確認されています。
つまり、子どもたちの脳の異変は、グローバルに進行しているという、かなり危機的な状況にあるわけです。
では、こうした夏休みの子どもの脳の異変を食い止めるため、対策はどうすればいいのでしょうか?
まず、朝は親子で早起きして、気温が上がる前に外に出ることです。
できれば、親子で運動をするのが一番ですが、近所を散歩するだけでもいいです。
夏休みのレジャーは、ぜひ、キャンプをおすすめします。
大自然に触れると、デジタル機器の影響で生じた脳の扁桃体の過剰な暴走が正常化することがわかっています。
いわゆるデジタルデトックスの効果が出るわけです。
また、夜は星を眺めると、脳は宇宙の雄大さを感じて、扁桃体が生み出す感情が穏やかになることもわかっています。
この効果を利用した心理療法を「スペースセラピー」といいます。
理科の勉強を兼ねて、親子で星座の観測をするのがおすすめです。
夏休みに子どもの脳に異変が生じた場合、脳で何が起きているのかを見極めるために、ぜひとも受けていただきたいのが、光トポグラフィー検査です。
脳の状態を可視化することで、うつ症状や無気力症候群の状態が科学的に突き止めることができます。
さらに、成績を改善させる脳医学的な方法も明らかになるので、受験生が志望校合格を実現するには、とても役立つ検査です。
光トポグラフィー検査については、こちらのページをご参照ください。
光トポグラフィー検査の結果、「受験うつ」「受験無気力症候群」「受験燃え尽き症候群」などが見つかった場合は、磁気のパルスで脳の働きを高める「磁気刺激治療」を行うと、脳内の扁桃体と呼ばれる部分の暴走を抑えることで、学力を早期に回復さえることが可能です。
さらに、磁気のパルスの作用で、思考力を働かせるのに不可欠な脳内のワーキングメモリーという機能が高まるため、試験を受けた時の得点能力をアップさせることができます。
実際、弊院の「磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コース」では、メンタル面の不調に苦しむ多くの受験生が入試で素晴らしい結果を残してくれています。
メンタル面でデリケートな受験生の方は、ぜひ、万全の準備をして入試に臨んでください。
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受験の燃え尽き症候群については、こちらのページでも詳しく解説しています。
あわせてご参照ください。