Hyperacusis associated with depression
✓ 試験を受けているときや受験勉強をしているときに、本当は小さな音なのに大きな音に感じて、試験に集中できない場合、受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)の危険性があります。
✓ 聴覚過敏には、発達障害による感覚過敏や突発性難聴による「リクルートメント(Recruitment)」と呼ばれる現象が原因としてあげられます。
✓ 受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏の場合は、脳内の扁桃体(Amygdala)が不安や不満の感情を過剰に生み出し、これに連動して聞き取った音が脳内で増幅されます。
✓ 原因は受験ストレスなので、通常、入試の時期が近づくと症状が悪化し、入試の当日に最も症状が重くなるため、合格をつかみ取るには、早期の治療が不可欠です。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
試験を受けているときに、本当は小さな音なのに、とても大きい音に感じて、試験に集中できなかったという経験はありませんか。
・周囲の受験生が答案用紙に書き入れるペンの音。
・周囲の受験生が消しゴムで消すときに机がきしむ音。
・時計の秒針が時を刻むチクタクチクタクという音。
この場合は、受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)の危険性があります。
また、自宅で受験勉強をしているときも、イライラしたり不安になったりすると、聴覚過敏の症状が出やすくなります。
たとえば、家族のなにげない会話や、洗濯機や冷蔵庫やエアコンなどの生活騒音が、本当は小さな音なのに、とても大きな音に感じる場合があるのです。
こうしたタイプの聴覚過敏は、メンタル面の不調が発病に大きく関連しています。
だから症状は、緊張感が最大限に高まる入学試験のときに極端に重くなる場合が大半です。
学力が高くても入試に落ちてしまうため、早期に治しておく必要があります。
聴覚過敏には、いくつかのタイプがあり、まず、ご自分がどのタイプの聴覚過敏なのかを見極めることが大切です。
まず、聴覚過敏の原因が、発達障害である場合があります。
発達障害は、脳内で標準とは異なる感覚情報の処理を行うために、感覚過敏を起こすことが多いのです。
目で見るた視覚が過敏だと世界がすべてまぶしく感じ、皮膚で感じる触覚が過敏だと服を着るのもつらく感じます。
これと同じように、感覚過敏が聴覚に生じると、聴覚過敏になるわけです。
ただし、この場合は、受験とは無関係に、幼い頃から聴覚過敏が生じるのが特徴です。
勉強や試験のときだけ起こるものではありません。
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一方、突発性難聴やメニエル病など、耳の奥で音を感じ取っている内耳の病気によって聴覚過敏になる場合もあります。
こうした病気では、通常、音が聞き取りにくい難聴になります。
聴覚過敏はその正反対だから、不思議に思われるかもしれません。
実は、難聴になると、内耳と脳が連携して、音の聞き取りにくさを、聞き取った音を増幅することでカバーしようとするのです。
そのため、難聴とともに、その正反対のように感じる聴覚過敏も同時に起こるのです。
こうした現象を、医学では「リクルートメント(Recruitment)」、あるいは「聴覚補充現象」と言います。
こうしたタイプの聴覚過敏も、受験と直接の因果関係はありません。
これに対し、受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏は、受験ストレスによるメンタル面の不調に起因して生じるものです。
ただし、最近の研究で、脳内で「リクルートメント(Recruitment)」に類似した反応が生じている間接的な証拠が見つかりました。
どうやら、「リクルートメント(Recruitment)」によって音を大きく感じるということは受験生の脳内でも起こっているようです。
突発性難聴やメニエル病では、難聴が「リクルートメント(Recruitment)」を起こす引き金となるわけですが、受験生の場合は精神的なストレスが、脳内で音を拡張する引き金となるわけです。
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発達障害や難聴とはことなり、受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)の場合、直接の原因を生み出すのは、脳内の扁桃体(Amygdala)と呼ばれる部分です。
この部分が不安と不満の感情を生み出すと、音が増幅して感じられるようになる仕組みが脳に備わっているのです。
実は、この仕組自体は、どなたの脳にも共通して備わっています。
扁桃体が不安や不満を生み出す場合、自分の身の回りで危険なことが起こっている、あるいは、自分の身に不利益なことが起こってるはずです。
そのような場合に、危険を回避したり、損をしないために、聴覚を過敏にして、身の回りに起こる些細な変化も見逃さないことが必要です。
つまり、不安や不満とともに聴覚を敏感にすることは、生き残るために必要なことなのです。
しかし、いくら必要な仕組みであっても、程度を超えて暴走すると、本人に不利益をもたらす病気となってしまいます。
受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)は、受験ストレスのため、扁桃体が暴走してしまうことで起こるのです。
受験生に特有に見られる心因性聴覚過敏(Hyperacusis associated with depression)は、受験ストレスが原因ですので、入試の時期が近づくと、通常、受験ストレスは高まるため、症状が悪化します。
さらに、入学試験の真っ最中は、受験ストレスが最も高まりますので、聴覚過敏で問題が解けなくなってしまいます。
合格を勝ち取るためには、早期に専門の治療を受けることが不可欠です。
私のクリニックでは、2020年10月より、これまでの診療プログラムを一部見直し、「5つの特別診療」をスタートいたしました。
「聴覚過敏症」については、その中の「①集中力特別診療」の中で、光トポグラフィー検査のデータなどを見極めた上で、脳の状態を正常化させ、入試本番での集中力アップと得点力アップを図っています。
聴覚過敏にお心当たりのある受験生は、ぜひ、こちらをお受けいただくことをおすすめします。
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受験生に特有に見られる聴覚過敏症(Hyperacusis associated with depression)の大きな特徴は、原因が受験ストレスにあるため、同時に「受験うつ」を引き起こしている場合が多いということです。
この場合、合格を勝ち取るためには、むしろ「受験うつ」のほうが、より深刻なダメージを与えます。
また、その症状の一つとして、聴覚過敏が現れているケースも少なくないのです。
聴覚過敏が「受験うつ」のSOSサインかもしれないということは、必ず、頭の片隅に置いておいてください。
「受験うつ」に陥った場合、受験生本人が気づいて適切な治療を受けるというのは、現実には簡単なことではありません。
だからこそ、受験生の親御様が気づいてあげることが、とりわけ大事です。
受験生の親御様には、以下の「親が判定!受験ストレスチェック項目が役立ちます。
また、受験生本人も、セルフチェックできます。
何らかの症状が出ている場合は、今すぐチェックしてください。
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「受験生に対するカウンセリング」、または「親子に対するカウンセリング」が基本ですが、
ご希望により「親のみのカウンセリング」も行っています。