NHKの「テストの花道」という番組で、院長(吉田たかよし)がご紹介した受験ストレス解消法を詳しく解説します!
センター試験も国公立の2次試験も、二日間にわたって受験しなければならないケースが少なくありません。
私立大学の入試に至っては、連日のように受験・・・といったケースもあります。
合格を勝ち取るには、試験を受けることで脳内に生じたストレスを、いかに短時間に解消するか、その対策が不可欠です。
心療内科医の私がおすすめするのは、30分間のカラオケです。
カラオケは、受験生の脳の機能にとって、ストレスの緩和作用がとりわけ大きいのです。
ただし、たった30分で十分な効果を得るには、ちょっとした工夫が必要です。
わかりやすく、ご説明しましょう。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
カラオケは、試験のストレスの緩和作用がとりわけ大きいのです。
その理由は、受験生の脳に生じたアンバランスな疲労を取り除く作用があるためです。
試験の問題を解くには、脳の中で前頭前皮質と呼ばれる部分を過剰に使います。
一方、他人との感情のキャッチボールなどに使う大脳辺縁系のうち、特に楽しい感覚を生み出す領域は、ほとんど使われません。
この不自然な脳の使い方による疲労の偏りが、脳機能の回復を遅らせるのです。
一方、人間が歌をうたうと、自動的に大脳辺縁系が刺激を受けます。
これによって、短時間に脳機能のバランスが回復してくれるわけです。
ただし、淡々と歌をうたった場合は、脳内の大脳辺縁系は、あまり刺激をうけません。
短時間にストレスの緩和作用を得ようと思ったら、精いっぱい、熱唱するべきです。
また、大音響で歌えば、耳の奥にある内耳の有毛細胞が刺激を受けます。
これにより、脳は動いているという感覚を得るのですが、目から入ってくる情報はその通りには動いていません。
つまり、内耳と目から来るそれぞれの情報が、矛盾するのです。
これにより、脳は浮遊感を得ます。
脳は楽しいことをしてるときに浮遊感を得ると、ストレスを短時間に解消する性質を持っています。
ライブに行って、好きな音楽を大音響で聞くと、浮遊感とともに気持ちよくなったという経験をお持ちの方が多いと思いますが、同じことがカラオケの熱唱でも起こるわけです。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
っさらに、カラオケのストレス解消効果を倍増させるテクニックがあります。
それは、肺の中に受験ストレスのカタマリがあるようなイメージを持ち、歌をうたいながら、吐く息と一緒にストレスを吐き出すように心がけることです。
ストレスは、目に見えないため、脳は処理するのが困難なのです。
そこで、ストレスが形のある具体的な物体のようなイメージを持った上で、それを捨て去る心理トレーニングをすると、効率よく脳機能を回復させられるという研究も発表されています。
カラオケで歌をうたうときは、こうした心理トレーニングを行うのに、絶好のシチュエーションです。
ぜひ、実践してください!
まず、最も大事なのは、初めから時間を決めてカラオケに行くこと。
ダラダラ歌っていると、いつの間にか時間が過ぎていってしまいます。
これでは、ストレスが解消できても、寝不足などになって本末転倒です。
また、試験のストレスを脳から追い出すには、30分ほど歌う必要があります。
残念ながら、誰かが歌っているのを聞いていても、大きな効果は得られません。
だから、友だちと二人で1時間カラオケに行っても、実際の効果が得られているのは、その半分の30分です。
私がおすすめしているのは、家族と一緒に行って、聞き役に徹してもらうこと。
お母さん、お父さん、兄弟姉妹・・・。
とにかく、受験生が第一なので、苦痛だと思いますが、ただ、ひたすら、受験生の歌を聞いてあげてください。
こうして、30分、一人で歌いまくれば、試験のストレスは、かなり解消できます。
東京大学本郷キャンパス赤門正面
本郷赤門前クリニック
以上のテクニックを実践しながらカラオケに行くと、通常は大半の方が、脳のストレスをリセットできます。
ただし、ごく一部ではありますが、それでも脳機能が回復しない場合もあります。
また、脳内にある意欲の中枢が機能不全を起こし、カラオケ自体に行こうという気分になれないケースもあります。
この場合は、単なる受験ストレスではなく、すでに「受験うつ」に陥っているか、あるいは、その一歩手前の状態になっている可能性があります。
この場合は、生活習慣だけでは改善することはなく、合格を勝ち取るためには、心療内科などの医学に基づいた対処が必要です。
まずは、受験生の脳に「認知の歪み」が生じていないか、以下のページでセルフチェックをしてください。