✓ 受験期のうつ症状、「受験うつ」が見逃されることが多く、その結果、志望校に合格できない悲劇が増加しています。
✓ 中学生・高校生のうつ病の有病率は、2.0%から8.0%で、大人とほぼ同じ水準です。受験うつはさらに高い有病率となっています!
✓ 小学生のうつ病の有病率は、0.5%から2.5%で、大人よりは低いですが、世間の方の印象よりははるかに高いのが実態です。
✓ 子どものうつ病が見落とされる理由は、その症状は、怒ってわめく、イライラする、暴力を振るうなど、大人のうつ病の症状とは正反対で、いっけん、元気がありあまっているように感じられるためです。
✓ 受験うつを早期に発見し、磁気刺激治療刺激+脳科学に基づくカウンセリングで志望校に合格できます!
本郷赤門前クリニックの吉田たかよし院長による動画解説、「見逃される受験うつ」の内容を文字起こししたものです。
以下、文章をお読みいただいても、動画をご視聴いただいても、どちらでもけっこうです。
今回のテーマは、見逃される受験うつです。
神奈川県にお住まいの K さんという方から、こんなご質問をいただきました。
近所の子供を見ていても、うつ病っぽい子供はいないような気がします。
受験うつには、やっぱり注意が必要なんですかというご質問です。
本当にいい質問ですね。
ありがとうございます。
確かに、周りの大人を見ていると、「この人、ちょっと、うつっぽいな・・・」という感じの人が、たまに見かけることありますね。
ところが、それに比べて、子供さんでそういう方って、すごく少ない気がしますね。
だから、うつ病って言うのは、子供はあまりかからない病気なんだろうな・・・と思っている方が多いようですね。
ここに、大きな落とし穴があるんです。
こういう誤解があるために、多くの受験うつが見逃されている・・・という現実があるんです。
皆さん、まず、この統計データ見てください。
これ、日本における、うつ病の有病率です。
どれぐらいのパーセンテージの人が、うつ病になっているのかという数字なんですね。
下の中学生高校生の方から、見てください。
全体の2.0%から8.0%という数字が、様々な研究によって発表されているんですね。
2.0%から8.0%って、差があるねと感じられた方が、多いと思うんです。
でも、これは、どこまでをうつ病と見るのが、その重症度の範囲、あるいはうつ病の定義といった部分によって、数値が変わってきます。
だから、このように幅があるんです。
でも、大事なのはこれ同じ基準で、大人のうつ病の有病率と比較をしたら、どうなのかということです。
これは、ほとんど同じだという結果が出ているんです。
これは、分かりやすいように中学生高校生と書きましたが、正確に言うと、思春期以降で大体大人と同じ発病率になるということなんですね。
決して、こうした世代のうつ病が、大人に比べてすごく少ないなんてことは、少なくともないんです。
受験生の場合、勉強のストレスと落ちるかもしれない不安が加わるため、受験うつの有病率は、さらに高い水準になっています。
次に、小学生の数字を見て下さい。
0.5%から2.5%なんです。
確かに、これは大人と比べると少ないんです。
だいたい、大雑把に言いますと、1/4ぐらいなんですね。
でも、皆さん、どうですか。
小学生のうつ病は、大人の1/4よりはるかに少ないと思っている方が、大半だと思うんですね。
確かに大人より少ない。
しかし、小学生でもうつ病になるんだということは、しっかりと頭の中に入れておいて欲しいんです。
じゃないと、子供のうつ病を見逃してしまうということになるんですね。
じゃあ、どうして一般の方が持ってるイメージと、現実の有病率が、こんなに違うのか。
実は、こんな落とし穴があるんです。
子供のうつ病は、大人と違うということなんです。
何が違うのかと言うと、うつになって出てくる症状が違うんです。
こちらのパネルを見てください。
子供のうつ病で多くの見られる症状です。
怒って怒鳴り散らす・・・。
イライラしてしまって、じっとしていられない・・・。
それから、暴力振ってしまう・・・。
多くの場合は、家族、特にお父さんお母さんに暴力を振るう。
あるいは、ご兄弟に暴力を振るうと言ったことが起こってしまうんですね。
皆さん、こうした症状を、どう思われますが。
あれ?
うつ病っていうイメージとは、ずいぶん違うと思いませんか。
大人のうつ病と言うと、イメージとしては、
あー、もう俺はだめだ・・・。
全部、俺が悪いんだ・・・。
などと繰り返し、つぶやいて、布団から外に出ることができない・・・。
そういったうつ病のイメージを、お持ちだという方多いと思うんですね。
子供の場合は、一般の方が見たら、むしろ、その逆じゃないのか・・・。
確かに、怒ってわめく、あるいは暴力を振るうといった、大きな問題があるということには、気付くことができているかもしれません。
でも、むしろ元気があり余っていて、それが問題じゃないのか・・・。
うつ病と正反対じゃないのか・・・。
などという風に、親が勝手に決めつけてしまって、うつ症状を見逃してしまうんです。
実を言うと、われわれ医者も、かつて、これと同じ過ちをしていたんです。
1970年代くらいまででしょうか。
専門の医者の間でも、子供にはうつ病がないという風に信じられていました。
それは、このように大人のうつ病の尺度で、子供の様子を見た場合に、うつ病には感じられないという風に当時の医者も思ってしまったんです。
若い世代の皆さん、特に受験生の場合、試験の点数が悪かったら、ものすごくイライラしてしまう・・・。
親が悪いから、試験の点数が悪かったんだと怒って、受験生が喚き散らす・・・。
あるいは、暴力を振るう・・・などということが、少なくないんですね。
もちろんこういう場合に、全て受験うつだとは言いません。
でも、その中にかなりの割合て受験うつが含まれていて、それで親が気が付くのが遅くなってしまうがために、治療が遅れてしまう。
それで取り返しのつかない事になってしまう・・・。
合格できるはずの大学に合格できない・・・などということが起こってしまうわけです。
是非皆さん、受験生のうつ病についての先入観を捨てていただいて、正しい認識をしてください。
そして是非、ご家族の方にお子さんを注意深く様子を見て頂きたいんです。
また、受験生ご本人も、自分の心がどうなっているのかということを、改めて見直して頂きたいんです。
この本の第1章で詳しく書きました。
興味のある方は、是非ご一読いただきたいと思います。
是非皆さん、受験生のうつ病についての先入観を捨てていただいて、正しい認識をしてください。
そして是非、ご家族の方にお子さんを注意深く様子を見て頂きたいんです。
それからこちらは私のクリニックなんですけども、受験うつを専門に扱っています。
磁気刺激治療というの磁気のパルスを当ててうつを治す最新の治療法と、それからカウンセリングを組み合わせることで、受験うつを早期に治し、そして脳機能を高めて志望校に合格していただけそのサポートを行っています。
こちらについても、ぜひ、本郷赤門前クリニックのホームページをご覧いただきたいと思います。
吉田たかよしでした。