こちらの本の中から、内容の一部を抜粋してご紹介します。
■開成中に夜空体験で合格!
・・・過去問に込められた中学側のメッセージとはどういうことが、おわかりいただけたと思います。
次に理解していただきたいのは、過去問を「実体験」すると合格に直結するという点です。
「過去問を解く」のではなく「過去問を実体験する」ということは、私が最も重視していることです。
こんなことを提唱しているのは、おそらく私だけなので、戸惑われるかもしれません。
そこで次の過去問を一緒に解きながら、実体験とはどういうことなのかを具体的に説明していきましょう。
1 図1は、北緯35度、東経140度における8月15日の午後8時に合わせた星座早見を示しています。星座早見とは、ある日のある時刻について、星座がどのような位置に見えるのかがわかる道具です。星座が描いてある丸い形の厚紙の上に、窓があいている厚紙を重ねて回転できるようになっています。日付と時刻を合わせると、そのときに空に見える星座が窓の中に示されるようになっています。
(2016年 開成中・理科1番)
このような星座をテーマとする問題は、中学受験の理科のハイライトともいえます。
過去問をさかのぼってみれば、頻繁に出題されていることがわかります。
「中学受験は6年後の東大受験を想定してつくられている」と前述しましたが、東大でも同じような問題が出題されるという意味ではありません。
そもそも東大を「地学」で受験すると不利になるから地学を選択しないというのは、東大受験生の間では常識となっています。
では、どうして中学側は星座について頻繁に出題するのか?
それは物事を論理的に理解し、体系化して分析していく能力を問うのに、星座の問題が非常に適しているからです。
■頭だけで考えず実際に夜空を眺めてみる
私のクリニックには有名中学を受験する子がたくさん訪れますが、同程度の学力なのに開成中に合格する子と不合格になる子がいます。
この問題が出題された2016年、偶然にも合格した子はこの星座の問題を正解、不合格だった子は不正解で、明暗を分けました。
不合格になった子が、星座の勉強をしなかったわけではありません。
ド定番の星座問題はどの塾もしっかりとおさえますし、開成中を受験するレベルの子なら同様の問題を何度も解いたことがあるはずです。
では、不合格になった子は、どうして星座の問題を間違えてしまったのか?
命運を分けた理由を、次の問題を通して説明することにしましょう。
◎受験の神様が教える難関中学合格の「親力」
灘中→東大→東大大学院→国家公務員試験一種2年連続合格→NHKアナウンサー試験→医師国家試験→政策秘担当書資格→衆院議員公設第一秘書→東大大学院医学博士取得と、名だたる難関試験をすべてストレートで合格した"受験の神様"。
東大赤門前にクリニックを構え、難関中学受験を目指す親子に学習指導し、
大手進学塾にもアドバイスする受験のエキスパートが、
これまでの中学受験本では語られてこなかった
目からウロコのメソッドを初公開します。
◎目次
序 章 中学受験は絶対おすすめ
第1章 有名中学合格は親次第
第2章 親子で過去問にチャレンジ
第3章 過去問を「実体験」する
第4章 わが子を合格に導く親のサポート法
第5章 中学受験に合格する遊び方
第6章 吉田たかよし式 有名中学<科目別>攻略法
第7章 合格する家庭がやっていること
第8章 親子で突破! 中学受験合格作戦
第9章 わが子の可能性を広げる方法
第10章 中学受験に失敗する親がやっていること