極端に遅い時間にしか眠れない・・・。
起床時間は昼頃にずれてしまう・・・。
もちろん、学校には登校できない・・・。
こうした夜ふかし朝寝坊は入試にも深刻な影響を与えます。
誰でもできるその対策をご消化します。
✓ 夜ふかし朝寝坊については睡眠医学の研究が進展し、食事のとり方や室内の環境を見直すことで大幅に改善させることが可能です。このページでは、そのための方法もしっかり解説します。
✓ ただし、睡眠を取る時間帯(睡眠相)が1日24時間の中で後ろにずれていく「睡眠相後退症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome)」など、脳や心にトラブルがあるために夜ふかし朝寝坊になっている場合も多いので注意が必要です。
✓ 夜更かし朝寝坊は、多くの親が単なるサボりや子供のわがままだと勘違いしがちですが、脳や心の不調が原因である場合が多く、こうしたケースでは叱りつけることで治るということはありません。
✓ 睡眠相後退症候群に陥ると、学校への登校や大切な試験を受験することができなくなり、早期に治療しないと子どもの将来に深刻な禍根を残すことになります。
✓ 睡眠相後退症候群には1次性と2次性の2つのタイプの病気があり、それぞれ治療法が異なるため、適切な検査を行って正しく見極める必要があります。
✓ 早期回復のための治療法や専門のプログラムについても、ご紹介します。
昼夜逆転で入試に落ちる&不登校!
夜ふかし朝寝坊は、脳の体内時計が作るサーカディアンリズム(24時間のリズム)を崩壊させるため、学力があるにもかかわらず入試に落ちる大きな要因となっています。
また、当然、朝、登校する際に、脳が十分に機能を高めていないため、意欲がわかず、適切な判断もできないため、不登校の原因にもなっています。
不登校を回避するためにも、志望校に合格するためにも、昼夜逆転など夜更かし朝寝坊は避けなければなりません。
このページでは、そのための方法を解説します。
ケトン体の作用で気持ちよく目覚める食事の習慣
夜ふかし朝寝坊を治す光のコントロール
夜ふかし朝寝坊は、光のリズムをコントロールすることでも治せます。
もともと人間の脳は、太陽が作り出す光のリズムによって体内時計を調節し、1日24時間のサーカディアンリズムを作り出していました。
ところが、現代人は、夜間も照度の高い照明器具の光を目に入れることになりました。
これによってサーカディアンリズムが壊れ、夜ふかし朝寝坊を生み出しています。
正しいリズムに戻すには、寝る3時間前になったら、できるだけ室内の照明は落とし、勉強するときは、手元の教科書やノートだけをスタンド型の照明器具で照らすようにしましょう。
これなら文字は読み取れる上に、目に入る周辺視野の光は抑えられるので、脳の視交叉上核が夜が着たことを認識し、睡眠ホルモンのメラトニンを分泌するよう脳の松果体に命令を出すため、寝付きが良く、朝の目覚めの良くなります。
一方、朝になったら、ご家族に頼んで起きる前にカーテンを置けてもらっておき、まぶた越しに朝日を目に入れて網膜の光感受性網膜神経節細胞を刺激しておきましょう。
これによって、脳の松果体における睡眠ホルモンの分泌が止まり、心地よく目覚めることができます。
起きた後も、窓から外の景色を眺め、目に光をたっぷり与えましょう。
睡眠相後退症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome)とは?
ただし、睡眠相後退症候群など、脳や心に具体的なトラブルを抱えている場合は、こうした一般的な食事や生活習慣だけでは十分に克服できない場合が一般的です。
睡眠相後退症候群とは、夜になったら眠り、朝になったら起きるということが慢性的にできなくなる病気です。
精神医学では、睡眠を取る時間帯を睡眠相といい、これが1日24時間の中で、後ろにずれていく病気なので、睡眠相後退症候群と言います。
典型的には、夜中の3時を過ぎたらやっと根付くことができ、その分、朝、起きることはできず、目覚めたらお昼となってしまいます。
もちろん、これでは学校に登校できるはずはありません。
こうした病的な状態が1か月以上も持続し、さらに、いくつかの診断基準を満たす場合に、睡眠相後退症候群という病気として扱います。
特に困るのは、試験があるなど、どうしても朝、普通に起床しないと行けない日も、起きることができないことです。
学校の定期テストを受けられなければ、留年や退学を余儀なくされます。
また、入学試験を受けられなければ、当然、延々と浪人を繰り返すことになります。
人生を再建する上で、睡眠相後退症候群は、決して放置してはいけない病気なのです。
睡眠相後退症候群はサボりではなく脳の病気です!
睡眠相後退症候群は、思春期から青年期にかけてが、最も発症しやすい年代です。
ただし、この年代は、ともすれば夜ふかしや朝寝坊をしやすいため、多くの親御様は、睡眠相後退症候群を単なる怠惰なためだと誤解し、叱りつけることで改善できると考えがちです。
しかし、睡眠相後退症候群は、単なるサボりではなく、脳の不調が招く病気なので、叱りつけることで治るということはありません。
逆に、精神的なストレスが発症に関与している場合もあり、このようなケースでは、叱りつけると、通常は症状が悪化します。
特に、午前中は、無理に起きたとしても、病的な眠気に襲われ、さらに頭痛や頭重感、それに食欲不振や疲労感などの身体的不調のため、学校に行くことも、勉学に励むことも困難です。
さらに、トラウマとして本人の心が深く傷つくと、うつ病などの精神的な他の病気に移行し、社会復帰が困難になります。
2つのタイプの睡眠相後退症候群!
睡眠相後退症候群には、1次性と2次性の2つのタイプがあります。
まず、1次性の睡眠相後退症候群は、心理的、あるいは精神的な問題とは無関係に、いつでも睡眠相の後退が起こるのが特徴です。
原因は、脳の視床下部という部分にある体内時計が正常に機能しないことです。
これにより、脳の中で刻まれる時間の流れが、24時間周期で営まれる社会の時間の流れてと合致しなくなって、睡眠相が後ろにずれてしまいます。
ただ、1次性の睡眠相後退症候群は、実際にはさほど多くはなく、2次性の睡眠相後退症候群のほうが多数派です。
2次性の睡眠相後退症候群は、うつ症状や適応障害、不登校や引きこもりなど、社会生活に適応できない精神的問題が2次性に睡眠相の後退をもたらすものです。
本人の意思だけでは睡眠相の後退を食い止められないという点では1次性と共通しています。
しかし、1次性で用いられるメラトニンなどの薬物が著効せず、むしろ副作用で精神状態が悪化する場合もあります。
2次性の睡眠相後退症候群の場合は、うつ症状や適応障害など、その大元となっている精神面の問題を治療しない限り、根本的な解決はできません。
睡眠相後退症候群の本質を浮き彫りにする脳の検査とは?
睡眠相後退症候群を早期に治療して、学校への登校や大切な試験を受けられるようになるためには、まず、1次性なのか2次性なのかを正しく判別し、さらに2次性であった場合は、根本的な原因が何なのかを正確に判定する必要があります。
そのため、当院では、鑑別リストに従った問診とともに、心拍変動解析などの各種検査を行います。
また、2次性の睡眠相後退症候群の原因として特に多い「うつ症状」に対しては、光トポグラフィー検査を重視しています。
以下をクリックしていただけば、「光トポグラフィー検査」の詳しい解説がご覧いただけます。
不登校を脳から治すプログラム!
睡眠相後退症候群を発病すると、不登校になる場合が大半です。
これに対し、当院では、不登校(磁気刺激治療)回復プログラム(Medical Program for School Refusal)を設け、治療とサポートを行っています。
こちらについては、次のページで、プログラムの内容を詳しくご紹介しています。
ご案内メールの請求(不登校回復)
「5つの特別診療」で志望校の合格通知をつかもう!
2020年10月からは、志望校への合格をより強力にサポートするために、「5つの特別診療」を開始しました。
以下の5種類の特別診療の中から、脳機能についての検査データをもとに、必要なものをチョイスして受けていただきます。
2次性の睡眠相後退症候群の場合は、意欲の病的な低下が起こっていて、朝の活動と学校への登校を深層心理で拒否している場合が多く、それに対する治療として、①ヤル気アップ特別診療がとりわけ効果的です。
また、「②集中力アップ特別診療」、「②イライラ対策特別診療」も必要になる場合が多く見られます。
以下をクリックしていただけば、「5つの特別診療」に関する詳しい案内がご覧いただけます。